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アテネパラリンピック 小感

 2004年、アテネパラリンピックの年に私たちは車いすマラソン応援団として現地に向かいました。9月も下旬になっていましたが、アテネのまちはまだ夏の装いでした。

 

 9月26日午前4時、アテネのまちはまだ夜の中にあった。ホテルに着き荷物を預け小休憩の後、競技場へと向かう。近代オリンピックがはじめて開催されたところだそうだ。アテネの空は雲一つなく、どこまでも広がり、美しい星が瞬いていた。雨が少ないため道の土はカラカラに乾き、歩くと砂ぼこりが舞う。次第に空が明け染めてくるころ、競技場に着いた。競技場を背に立つと、左方向の丘の上にパルテノン神殿が見える。また、右方向にはリカビトスの丘が見え、その頂上に教会が見える。そして、すっかり明けた空は透き通るように真っ青だった。やがてゲートが開き、持ち物やボディチェックを済ませ、競技場に入る。観覧席はすべて大理石でできている。照りつける太陽はまだ夏が終わっていないことを実感させた。

 午前8時、熱いレースが始まった。コースはオリンピックマラソンコースと同じ、上り下りのきついコース、しかも炎天である。私たちが応援する車いすマラソン出場の伊藤智也選手は右肩を負傷しており、はたして上り坂を上り切れるのか、応援スタッフ一同心配だった。横断幕や、鈴鹿市の中学校の生徒達や市民の皆さん手作りの旗の準備などをして、揃いの法被を着て待機した。現地の日本語学校の教師をしている鈴木さんという方が、各ポイントに立ってくれている生徒達から携帯電話で報告を受け、それをみんなに知らせてくれた。電話が入り「○○地点無事通過」という知らせを受けるたび、みんなホッと胸を撫で下ろし、また新たな気持ちで待った。最後の10キロメートル、完走してほしい!という思いでみんな総立ちになっていた。T54の選手たちがまず、どんどんゴールしてきた。みんな国を越えて応援し、選手たちもとても誇らしげな、輝く顔でゴールしてくる。だれかが転倒すると、自力で車いすに乗って走り始めるまでみんなが見守る。そして走り始めると心からの拍手が起こる。やがてT52の選手たちもゴールし始める。次々と弱視の方や全盲の方もゴールしてくる。弱視の方たちはひとりで走っていた。全盲の方たちにはひとりひとり「GUIDE」というゼッケンをつけた方が伴走している。すばらしい光景にだれもが感動していた。伊藤選手は4位でゴールした。走り終えるとさすがに右肩を押さえ前のめりになっていたが、走り寄ってくるみんなに笑顔で応えていた。「あと10キロメートルという地点で右車輪の調子が悪く、回りにくくなり、しかも右腕が思うように動かせなくなってきた。」と話していた。その日、伊藤選手を囲み、みんなで祝杯をあげた。「まるで金メダリストみたいだ。」と照れ笑いの伊藤選手は本当に美しく見えた。

 2日後、閉会式が行われ、パラリンピックは幕を閉じた。そして夏が終わり、アテネに秋が訪れる。パラリンピックで燃えたアテネのまちは大きなやさしさに包まれていた。

 

 来年、東京でパラリンピックが開かれます。東京パラリンピックもまた、人々のこころに大きなやさしさを残してくれる大会になるといいなと願っています。


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  • 2019.10.16 Wednesday
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  • 09:45
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