こころの相談室 HALPRIMURA -春プリムラ- | HALPRIMURA(春プリムラ)は女性の方を応援するこころの相談室です。悩み事などに関するカウンセリング。子供の学校相談。子供との接し方。人間関係など

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遠い日のイチジクの味

 おさない頃、近所に空き家がありました。その家の庭には大きなイチジクの木が2本ありました。秋には実がたわわに実り、やがてそれは地上に落ち、熟した実の香りがあたりに漂っていました。鳥が来てその実を食べるのを見かけることもよくありました。

 ある日、何人かの友達と遊んでいて、あのイチジクの実を取って食べてもいいかなあという話になりました。ある子は、「それは、どろぼうしたことになるかも。」と言いました。別の子は、「どうせ鳥が食べるか、落ちてしまうだけだから、取って食べてもどろぼうにはならないよ。」と言いました。 「ちょっと取って食べてみる」というワクワクした冒険に似た思いは、その行為の中にある後ろめたさのような思いに逆に刺激されて、「一度だけならいいだろう。」という結論に満場一致で達したのです。

 ドキドキしながらそっと庭に入り、ひとつだけ手に取りました。木に生ったままたっぷりと熟したイチジクはずっしりと重く、八百屋さんの店頭に並んでいるものの何倍もの甘さを感じさせるものでした。それは、ちょっと「良心の呵責」という罪の味も含まれていたかもしれません。

 その時に、同じ罪(?)を犯してしまった近所の遊び仲間たちとは、とっくに離れ離れになり会うこともありませんが、イチジクの実を見て、ふと思い出すこともあるだろうかと、郷愁に似た思いにもなるのです。

 今でもイチジクの実は、おさない頃のある特別な一日の出来事を思い起こさせ、軽い痛みを伴いながら心の中にいつもあります。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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  • 2020.03.15 Sunday
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  • 14:49
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